今年の確定申告の締切日は3月15日。
毎年申告しているのですが、今年もギリギリ締切1日前の提出になってしまいました…。
例年と違うのは今年の確定申告は退職後の初めての申告であるという事です。
色々なサイトで情報展開されていますが、退職後の確定申告では税金が還付される事が多いので必ずやっておくべきです。というか必ずしなければいけません。
私の場合、申告書を作ったところ結構な額の還付があるようで大変助かりました。ちなみに例年は確定申告をすると税金を余計に取られていました…。
という事で、私の体験を踏まえて記事にしてみましたので宜しければ参考にされてください。
確定申告書の提出方法
確定申告書の作成、提出にはいくつか方法があります。
- 自宅等のパソコンで申告書を作成してインターネットを利用してe-Taxで送付する
- 自宅等のパソコンで申告書を作成・印刷して税務署(または各地の特設会場)へ提出する、または郵送する
- 自宅で所定の用紙に手書きで記入して税務署(または各地の特設会場)へ提出する、または郵送する
- 税務署(または各地の特設会場)で申告書を作成・印刷して提出する
では、それぞれの違いを説明しますね。
e-Taxを利用して申告
たぶん、必要環境が十分揃っているのならば一番面倒でないのがe-Taxだと思います。 この方法だと持ち込みや郵送の必要はなく自宅等での作業で全て完結してしまいます。
国税庁もこの方法を推奨しているようです。確かに効率が良いし職員の作業もかかりませんもんね。
ただし、e-Taxを利用するにはインターネットに接続されたパソコンはもちろんの事、マイナンバーカード(通知表ではない顔写真入のカード)や ICカードリーダーが必要になり、費用も含めて事前準備が必要です。
ちなみに私はICカードリーダーを持っていませんので、この方法は利用しませんでした。
e-Taxを利用する場合の国税庁の作成コーナーはこちらです。
↓
リンク:確定申告書等作成コーナー
PCで申告書を作成して税務署へ提出または郵送
いや、作るのは自分でできるから、自宅で作成して印刷して持っていきます、あるいは郵送しますという方はこちらが良いでしょう。
ただし、こちら方法を利用する場合もインターネットに接続されたパソコンが必要です。そして印刷もしますのでプリンタもしくはコンビニ等の ネットプリントサービスを利用する必要があります。
国税庁の作成コーナーはこちらです。
↓
リンク:確定申告書等作成コーナー
手書きで作成して税務署へ提出または郵送
上記2つの国税庁の作成コーナーを利用しないで、所定の用紙に手書きで記入という方もおられるでしょう。 税務署で用紙をもらってくるか、国税庁のサイトから用紙をダウンロードし印刷して記入するというやり方になります。
所定用紙のダウンロードはこちら
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リンク:確定申告書の所定様式・手引きのダウンロード
主にパソコンを使えない方はこの方法をとられるのでしょうね。
ただし電卓などでの計算も必要だし記入もたくさんあるしかなり面倒です。作成コーナーを利用すれば計算は自動でしてくれますしね。
ところで、国税庁の作成コーナーを利用できる条件というのがありまして「該当しない方は手書きで書いて」という事になっているみたいです。
リンク:作成コーナーを利用になれない方
ちなみに私は2つの会社から退職金が出ており、このような場合は作成コーナーは利用できないとありました。
え? 手書きで書かなければいけないの? と思ったら、何とか利用コーナーを使用して作成する事ができました。 この件は後述しますね。
税務署で作成して提出
もしも、作るのが初めてで税務署の職員さんに色々質問しながら作らなければ不安だ、という事であればこちらなります。
税務署の職員もたくさんおられて作成の指導などもしてくれますので安心して作る事ができるでしょう。
ただ、これは相当時間がかかりますよ。
申告期間の税務署や特設会場に行ってみるとわかりますが、その場で作成している人たちはビックリするくら大勢おられて超満員。そして、その作成の場に行くまでも長蛇の列になっています。あれを見ると自分で作って持ってくるか郵送するのが絶対良いとわかるかと思います。
だけど源泉徴収票などの必要な書類を忘れたりすると何度も税務署へ行かなければなりません。 私の母は毎年この方法で提出していたらしいですが、忘れ物をしたりして何回も行き来したとこぼしていました。
確定申告書の作り方
私は国税庁の作成コーナーを利用して自分で印刷して税務署へ持ち込みました。
作成コーナーを利用すると、面倒な計算はしなくてもよくて、手順に従って入力をしていけば申告書が完成しますのでとても便利です。パソコンとインターネット環境をお持ちならこの方法が無難だと思います。
事前に準備しておくもの
申告する情報は人によって様々ありますが、株式や不動産など副業をしていない退職したサラリーマンが申告書を作成するのはそれほど多くありません。
一般的には以下のような書類が必要になります。
紛失したりして手元にない場合には、再発行してもらう必要がありますので、確定申告の締切日に間に合わない可能性もあります。 ですので、早めに確認しておいた方が良いでしょう。
- 給与の源泉徴収票
退職した年の勤続していた期間の給与の源泉徴収票です。 例えば3月末に退職したならば、そこまでの給与の源泉徴収票になります。 勤めていた会社から貰っているはずです。貰っていない場合には会社へ連絡して発行してもらいましょう
- 退職金源泉徴収票
こちらも退職金が出ている方は勤めていた会社から貰っているはずです。貰っていない場合には会社へ連絡して発行してもらいましょう
- 社会保険料控除証明書
退職した後に加入し支払った国民年金等の控除証明書が年金事務所から送られてくるはずです。 もしも紛失等、手元にない場合には再発行をしてもらいましょう。
注意として、支払った額の全ての証明が記載されていない場合があります。振込した際の領収書で代替できますので領収書は必ず保管しておきましょう。
なお、国民健康保険料や任意継続の健康保険料は証明書は発行されません。 確定申告では支払った金額の申告のみで大丈夫です。
- 生命保険料控除証明書
生命保険に加入している方は保険会社から控除証明書が送られてくるはずです。 もしも紛失等、手元にない場合には再発行をしてもらいましょう。
- 地震保険料控除証明書
地震保険に加入している方は保険会社から控除証明書が送られてくるはずです。 もしも紛失等、手元にない場合には再発行をしてもらいましょう。
- 本人確認書類
以下のいずれかが必要です。いずれもコピーで構いません。
・マイナンバーカード
・マイナンバー通知カード or 住民票の写し + 運転免許証等の身元確認書類
マイナンバーカードを持っていれば1つで済みますので申告前に取得しておいた方が良いでしょう。
- 配偶者・扶養家族のマイナンバー
配偶者控除や扶養家族がいる場合には全員分のマイナンバーが必要です。
カード等のコピーはいりません。ナンバーのみです。
- 年金方式の退職金の源泉徴収票
退職金を年金方式でもらっている方は必要です。 こちらも勤めていた会社から貰っているはずです。貰っていない場合には会社へ連絡して発行してもらいましょう。
作成コーナーを利用した確定申告書の作成手順
申告書の作成は、パソコンとインターネット環境があれば、国税庁の作成コーナーで手順に従って入力をしていけばさほど難しくはありません。
特に説明はいらないかもしれませんが簡単に手順を書いておきますね。
ここから国税庁の作成コーナへ行きます。
↓
リンク:確定申告書等作成コーナー
作成コーナーに入りますので、「作成開始」ボタンをクリックします。
↓
事前準備確認画面に入りますので、ご自分の環境に問題なければ「下記の全て…確認済みです」にチェックを入れ「次へ進む」をクリックします。
↓
これで「収入金額・所得金額の入力」の入力画面に移ります。
収入金額・所得金額の入力
- 給与所得
「入力する」をクリックすると給与所得の入力画面が開きます。
あらかじめ準備しておいた「給与の源泉徴収票」の内容を入力します。
記入方法も表示されますので問題なく入力できると思います。
- 雑所得の公的年金等
年金方式の退職金の場合は「公的年金等」をクリックして入力します。退職金を一括で貰っている方は入力の必要はありません。
ここも、あらかじめ準備しておいた「退職金の源泉徴収票」の内容を入力します。記入方法も表示されますので問題なく入力できるかと思います。
- 退職所得
退職金は分離課税になりますので、下段の一番下の退職所得をクリックして入力していきます。
ここも、あらかじめ準備しておいた「退職金の源泉徴収票」の内容を入力します。記入方法も表示されますので問題なく入力できるかと思います。
ちなみに、退職所得の源泉徴収票には、「法第201条第1項第1号適用分」、「法第201条第1項第2号適用分」、「法第201条第3項適用分」と3つの種別があります。詳細な説明は割愛しますが、この種別を選択して入力していきます。が…、私の場合はここで問題が発生しました。私は2つの会社から退職金を貰っているので2通の源泉徴収票があります。
作成コーナーでは複数の入力ができないのです!
それぞれの源泉徴収票に記載されている種別は「法第201条第1項第1号適用分」と「法第201条第1項第2号適用分」です。「法第201条第1項第2号適用分」の源泉徴収票の入力をすると他の種別は入力できないとありました。
「法第201条第1項第2号適用分」を含む2通以上の退職所得の源泉徴収がある場合には作成コーナーは利用できません!とエラーが出ます。
何故? じゃあ手書きで書かなければいけないのか、と焦りました。
でも手書きで書くのは嫌なので何とかならないかと調べて、強引に2つの源泉徴収票の合計額を記入したところ、問題なく申告書の書類が作成できました。
ただちょっと余計な手間が…。この作成コーナーでは、所得明細の書類も作成されるのですが、そこに後で複数の源泉徴収票の明細を手書きで記入しなければなりませんでした。まあ大した手間ではありませんが。どうやら、作成コーナーのプログラムに分離課税の退職所得を所得明細の書類に反映させる機能が実装されていないだけのようです。
今後、国税庁さんがプログラムを改善してくれるのを希望します。
ここまで入力したら、「入力終了 次へ」をクリックして所得控除の入力画面に進みます。
所得控除の入力
- 社会保険料控除の入力
退職した後に国民年金や健康保険料を支払っていると思いますので、その内容を入力します。
- 生命保険料控除・地震保険料控除の入力
保険に加入して控除証明書をお持ちの方はここに入力します。
- 配偶者控除の入力
配偶者情報の入力をします。
- 扶養控除の入力
子供等、扶養家族の入力をします。
ここまで入力したら、「入力終了 次へ」をクリックして税額控除・その他の項目の入力画面に進みます。
税額控除・その他の項目の入力
「税額控除・その他の項目の入力」の画面は住宅借入金の控除などを入力する画面です。該当する方のみ入力します。
↓
「入力終了 次へ」をクリックして計算結果の確認画面に進みます。
計算結果の確認
これまで入力した所得と控除から計算された計算結果画面が表示されます。
ここで税金が戻ってくる還付金の額が表示されているはずです。
↓
どうでしょうか、還付されるでしょうか。私の場合は嬉しい額の還付額でした。
入力に間違いがあるなら「修正する」ボタンをクリックして前の画面に戻り修正します。問題なければ「次へ」をクリックします。
住民税等の入力
給与や公的年金以外の収入がある方の住民税の納付方法を選択します。
「自分で納付する」を選択すれば良いかと思います。
↓
→
「次へ」をクリックします。
住所・氏名等の入力
ご自分の住所・氏名等の入力、還付金がある場合の振込先などを入力します。
↓
→→ →
どんどん「次へ」をクリックしながら入力します。
マイナンバーの入力
マイナンバーを入力します。
本人と配偶者・扶養家族がいる場合には全ての名前が表示されていますので、それぞれのマイナンバーを入力します。
↓
作成終了・印刷・保存など
この画面で申告書の印刷ができます。
また、これまでの入力したデータをファイルに保存する事ができます。
この画面以外のこれまでの入力画面の全てで作成途中のデータをファイルに保存する事ができます。
そのファイルを読みこんで編集し直す事ができますので活用されると良いでしょう。
印刷は全てを印刷で良いかと思います。
提出書類・控え書類の作成
印刷をすると、提出用の書類と控え用の書類、源泉徴収票や証明書を貼る台紙が出てきます。
提出用の書類の先頭ページには捺印箇所がありますので捺印を忘れずに!
源泉徴収票、証明書類は原本を、本人確認書類はマイナンバーカード等のコピーを台紙に糊付けしておきます。
確定申告書の提出
さて、確定申告書ができあがりました。
できあがった書類を郵送しても良いのですが、私は地元の確定申告の特設会場へ持っていきました。
税務署や特設会場は、「これから申告書を作成する方」と「提出のみの方」用に2箇所に分かれていると思います。
先にも書きましたが「これから申告書を作成する方」の列は相当混んでいます。
やっと順番がきても中は超満員になっている事でしょう。
逆に「提出のみの方」の列は日時にもよりますが空いているはずです。
私の場合は、提出のみでしたので並ぶ事なく係員のカウンターにたどり着けました。
提出のみの場合、書類の内容は確認せず書類に漏れがないかどうかだけチェックします。そして提出用と控えにバンバンとハンコを押してもらい、控えを渡されて終了です。2〜3分もあれば終わるでしょう。
やっぱり自分で作ってきて正解だったと思います。
係員からは、還付金は問題なければ6週間後に指定口座に振り込みますと説明がありました。
問題ないことを祈ります。
さて、これで確定申告の全ての処理は終了です。
お疲れ様でした。
失業保険の申告は?
作成していく中でアレ?と思われませんでしたか?
退職されて失業保険をもらっているが確定申告をしなくてもいいのか?ですよね。
はい、申告しなくても大丈夫です。失業保険は基本的に非課税なので所得対象にはなりませんのでご安心を。
まあ、今の時代マイナンバーがありますので失業保険をもらっているかどうかは税務署でお見通しですけどね…。
最後に
長くなりましたが、退職後の確定申告についての説明をしてみました。
私の体験を元に書いていますので、それぞれの方においては所得や控除でいらない箇所があったり、あるいは足りない箇所があるかと思いますが、その点はご容赦願います。
なお、確定申告の詳細な説明は国税庁のサイトにありますので、きちんと把握しておきたい方は読まれる事をお薦めします。
最後まで読んで頂きましてありがとうございました。
突然コメント登録しすみません。
昨年令和元年にサラリーマンから退職し、今年確定申告をする準備をしているものです。
こちらの記事を読ませて頂き、退職金の確定申告について非常に参考になりました。
その中で、『「法第201条第1項第2号適用分」を含む2通以上の退職所得の源泉徴収がある場合には作成コーナーは利用できません!とエラーが出ます。
何故? じゃあ手書きで書かなければいけないのか、と焦りました。
でも手書きで書くのは嫌なので何とかならないかと調べて、強引に2つの源泉徴収票の合計額を記入したところ、問題なく申告書の書類が作成できました。』
との記載があります。私も源泉徴収票が二つあり、国税庁の作成コーナーを使用できないのか?と困ったので気になりました。
結果書類が作成できたとの事ですが、『ただちょっと余計な手間が…。この作成コーナーでは、所得明細の書類も作成されるのですが、そこに後で複数の源泉徴収票の明細を手書きで記入しなければなりませんでした。まあ大した手間ではありませんが。』との記載があります。
また、書類は実際に確定申告窓口に提出されたの事ですが、
①提出されたときには、源泉徴収票は二つ添付して提出されたのでしょうか?
(e-Taxでメールで提出する場合添付ファイルはつけないですが・・・)
②もしつけたとすると、その際窓口で本来は作成コーナーを使用した書類では駄目であることが担当の方にばれてしまうのではないかと・・・・
③手書きで明細を記入されたのは、上記窓口での指摘とかがあったのでしょうか?
できれば私も作成コーナーを使用して提出したいと思い。。。。
お忙しいところ恐縮ですが、アドバイス頂けましたら幸いです。
山口様、こんにちは。
記事をお読み下さりありがとうございます。
ご質問の件ですが、
①源泉徴収票は2つ添付しました。
②書類を受け取る担当者はそこまで見ていません。
③いえ、指摘はありません。私の独断で書きました。
です。
私の時は上記のように提出して何も指摘も受けず受理されました。
虚偽の申告をしている訳ではないので問題ないと思いますよ。
がんばってください。
早々にアドバイス頂き大変ありがとうございました。
私の場合、通常の退職金(確定給付企業年金)に加えて、早期退職に申し込んだ事による割り増し退職金がでました。
確定給付分は会社が委託している保険相互会社から。割り増し退職金は会社から。
別々に源泉徴収票が発行され。
ただ、退職金が振り込まれる際にすでに税金は市民税も含め徴収されているはずなので大丈夫かな・・・と思っていながら自信がありませんでした。
頂いたアドバイスのおかげで、頑張ってみる気に俄然なりました!!!
山口様
無事確定申告終わる事祈ってます。
ちなみに税金払いすぎているのであれば確定申告後に還付金で戻ってきますよ。私は3月に退職したのでその年の税金は払い過ぎでした。(前年度で計算される住民税等)なのでだいぶ戻ってきて家計が助かりました。